【さくっと解説】なぜ信楽焼はたぬきで有名になった?その歴史・特徴

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『平成狸合戦ぽんぽこ』未視聴の筆者( .@azusagut )です。

今回のテーマは、これ。

たぬきです。

たぬきの置物って割と見かけるものですが、なぜたぬきなのか、その意味をご存じですか?

そしてたぬきの置物といえば信楽(しがらき)焼です。

時折、ふくろうだったり、カエルのときもありますね。

本記事では、信楽焼

  • 歴史
  • 特徴
  • 資料館・美術館
  • 陶器市

について書きました。

4六古窯の1つである信楽焼ですが、実はたぬき自体の歴史は浅いんです。

茶の名産地でもあり、茶陶で一世を風靡した信楽焼を見ていきましょう。

他のやきものについては↓コチラから。

目次

信楽焼の歴史

信楽ってどこだという方もいると思うので、まずは、地理の確認です。

信楽は、現在の滋賀県甲賀市にあります。

京都、大阪、名古屋に近い立地は信楽焼の発展に大きくかかわってきます。

信楽焼のはじまり

聖武天皇

六古窯の一つでもある信楽焼は、742年聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)の瓦を焼かせたのがはじまりとも、

13世紀鎌倉時代に愛知県の常滑(とこなめ)の技術が流入したことによってはじまった、ともいわれています。

そのため当時は常滑焼と区別がつかないほど似たつくりであったそうです。

このころは主に農業の拡大をうけ、甕(かめ)、壺、鉢の生産が中心でした。

常滑にならい、信楽焼も無釉でつくられるのが特徴。

素朴な佇まいは、ワビサビに通じるものがあります。

脚光を浴びる戦国時代

戦国、安土・桃山時代は茶の湯が大流行。ここで信楽焼が脚光を浴びはじめます。

というのも、信楽焼の武骨さ、ワビは千利休などの茶人に好まれ特に安土・桃山時代は「茶陶信楽」として世に知られます。

その発展に寄与したのが立地です。

先述の通り、甲賀は京都や大阪からほど近いため多くの作品を供給できたのも理由の一つです。

茶の産地として有名だったのも
有名になった理由の1つです

施釉陶器のはじまりと大量生産の江戸時代

江戸時代になると他の窯と同様、連房式登窯が導入され、大量生産が可能となります。

また、施釉陶器も全国的に流通がはじまり、信楽焼も施釉陶器が造りはじめられます。

この時期はお隣さんの京都では高価な京焼が大盛況。

庶民が使えるうつわは少なく、ここで信楽焼が一肌脱ぐことに。

庶民向けの小物施釉陶器の生産をはじめ、生活を支えました。

庶民の生活を支えた近代

江戸時代よりより民衆のニーズにこたえるものを造りはじめた信楽焼。

明治の近代化では工業用の鍋や陶器の生産がはじまり、昭和は初めにはあのたぬきも登場します。

暖房器具として注目の的になった「火鉢」観葉植物流行に合わせ「植木鉢

と、時代の流れ、ニーズに合わせて多種多様なものづくりをし、信楽焼は今に至ります。

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信楽焼の特徴

【楽天ポイント10倍】信楽焼「へちもん」あく流 ぐい呑み 徳利

自然に表れる表情。

無釉の締め焼」が最大の特徴。武骨で野趣あふれる自然の趣が感じられます。

無釉を非常に強い炎で焼しめるため、自然釉や赤が表情に出てきます。

施釉の場合は、灰釉がよく用いられます

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なんでたぬきの置物が有名になった?

そのきっかけは、1951年(昭和26年)昭和天皇の信楽行幸です。

日の丸の旗を持たせた信楽たぬきを並べ奉迎したところ、たいそう昭和天皇はお喜びになられ、歌も詠まれました。

このことが報道され、全国的に信楽たぬきが注目されたのです。

では、「なんでたぬきなんだ」ということですが、

昭和天皇の信楽行幸の後、「信楽狸八相縁起(しがらきたぬきはっそうえんぎ)」が考案され

縁起物としてたぬきの置物が好まれるようになったのです。

信楽狸八相縁起についてはコチラが詳しいです。

昭和天皇が無反応だったら、
ここまで有名にならなかったでしょうね

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実はふくろうとカエルも天皇がらみ!

1975年(昭和50年)、昭和天皇は2度目の信楽行幸を行います。

その際に皇后陛下がカエルの置物を持ち帰られたのがきっかけで、今度はカエルブームになりました。

更には2007年(平成19年)に平成天皇が信楽を訪れたときはふくろうで奉迎。

これがテレビに移されると縁起物としてふくろうも人気になったのです。

こんなたぬきもあるみたいですよ。

有名人が食べたお菓子が人気になるので
今も昔もそう変わりませんね

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信楽焼の資料館・美術館

陶芸の森

信楽焼に関しては下記の施設がいいと思います。

信楽伝統産業会館

信楽伝統産業会館
信楽伝統産業会館 甲賀市信楽町にある信楽焼の殿堂とも言うべき市の施設です。入場無料。鎌倉時代から近世までの信楽焼の歴史を展示。随時展示会も開催しています。

信楽焼に関する資料や歴史を紹介しながら各種の企画展示が開かれてます。

陶芸の森

滋賀県立陶芸の森
滋賀県立陶芸の森 滋賀県立陶芸の森は、やきものを素材に創造・研修・展示など多様な機能を持つ公園として、また、人・物・情報の交流をとおして地域産業の振興や新しい文化創造の場とすると...

信楽焼に限らずさまざまな陶器の展示があるほか、販売や体験など幅広くイベントを扱っています。

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信楽焼の陶器市

信楽焼は年に2回開催されています。

しがらき火まつり

毎年7月下旬に開催。

信楽焼陶器まつり

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信楽焼まとめ

本記事では「【さくっと解説】なぜ信楽焼はたぬきで有名になった?その歴史・特徴」について書きました。

たぬきの置物で有名になったのは昭和初期。

信楽焼千年の歴史に比べればまだまだ浅いのですね。

ご自宅に、縁起物のたぬきはいかがでしょう?

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